Quantcast
Channel: 書評で人と本をつなげるブログ|ブックハウス»小説
Browsing latest articles
Browse All 10 View Live

Image may be NSFW.
Clik here to view.

神様

優しい不思議。 くまに誘われて散歩に出る。 そんなとっても魅力的な一文から始まる短編集。 全部で9つの短編からなる。 どれも、ふつうの、平々凡々とした日常の中に非日常が入り込んできて、混ざって、不思議なゆらぎを持った物語になっている。 表題になっている『神様』がとっても好き。僕が高校生の時の国語の教科書にも載っていた作品。 アパートの隣の階にくまが引っ越してきて、ふたりで川辺まで散歩する。...

View Article



Image may be NSFW.
Clik here to view.

百年の孤独

息をする物語 すごく大げさな比喩だというのは分かっているけれど、読んでいて「神話のようだ」と思った。 不思議で、荒唐無稽な出来事が当然のように起こり、それを当然のように受け入れる登場人物たち。 そこで起きる不思議な現象に、特別な意味は込められているように思えない。 いや、それは僕たち、というか人間の根底とつながった”何か”を”物語”として表現しているかも知れない。...

View Article

Image may be NSFW.
Clik here to view.

ジョーカー・ゲーム

安定したスリル 「敵と直接肉弾戦を交える、あるいは生存術を駆使しなければ生き残れないなどといった状況は、スパイにとっては――死ぬ、殺すに次いで――最悪の状況だ。それが最悪の状況であるからこそ、貴様たちはそのための準備を怠ってはならない。だが、それだけだ」 リアル・スティールに続き、旅行に持って行った本。 続き、というか、行きの飛行機の中で読了。 リアル・スティールは帰りの飛行機で観ました。...

View Article

Image may be NSFW.
Clik here to view.

卵の緒

見た目は子ども、態度は大人 どうあがいたって、受け止めなくてはいけないものがたくさんある。どうもがいたって、変わらない現実がいくつもある。だけど、それを和らげる方法はいくつかあるはずだ。 出生が”普通”じゃない子どもたちの物語。 構成は2つの短編、いや中編からなる。 表題の『卵の緒』は、自分は捨て子だと信じる男の子、2つめの『7′...

View Article

Image may be NSFW.
Clik here to view.

ベロニカは死ぬことにした

愛してほしいと、声に出して言えたなら。 また生きたいって思い始めてるのよ、エドアード。勇気がなくて犯せなかった過ちを、犯してみたいのよ、またやってくるかもしれないパニックに立ち向かいながら。 ベロニカは24歳で体験できうることは全て体験してきたと確信していました。 若く、仕事にも恵まれ、自分を愛する家族もいる。 彼女に不自由はありませんでした。 しかし彼女は自分の死を求めて薬を飲みます。...

View Article


Image may be NSFW.
Clik here to view.

ぼくと1ルピーの神様

奇跡のつかみ方 「つまり、こういうこと? あなたが答えを知っていたわけを理解するためには、あなたの人生全部を知らなければならない」 「多分」 月給900ルピーでウェイターをしているスラムの少年が、TVのクイズショーで100000ルピーを獲得する。 文学、歴史、地理、様々な難問を、教育を受けたこともない少年が答えていく。ピラミッドがある都市も答えられないのに。 彼はいかさまをしていたのだろうか?...

View Article

Image may be NSFW.
Clik here to view.

羊たちの沈黙

甘い狂気 クラリス、楽しみながら皮を剥ぐ時は、常に被害者を逆様にして行うのだ、頭と胸の血圧を長く維持して、対象に意識を保たせるために。それは知らなかったのか? 殺した女性の皮をはぐ連続殺人犯を捕らえるため、収容中の同じく連続殺人犯で精神科医の博士に意見を求める。 この設定だけでよだれが出てくる人も多いんじゃないでしょうか。 物語には2つの狂気が織り込まれています。...

View Article

Image may be NSFW.
Clik here to view.

それからはスープのことばかり考えて暮らした

ずっと懐かしい味。 じゃがいものはいったスペイン風オムレツを平たく焼いてパンにはさむ。オムレツの表面には、ゆるめにといたケチャップがさっと塗ってあるだけ。じゃがいもにしても卵にしても淡い味だが、噛みしめるほどに、ほのかなケチャップの甘みが利いてきて、たしかに安藤さんが「なかなかの傑作」というだけのことはあった。 作者があとがきで語っているように、この小説のテーマソングです。...

View Article


Image may be NSFW.
Clik here to view.

『そうか、もう君はいないのか』ー連れ添う、てあったかくて切ない。

五十億の中で ただ一人「おい」と呼べるおまえ 夫婦、という関係は、まだまだ僕には実感のわかないものです。 ましてや、数十年連れ添い、そしてその相手を失うということを、僕はうまく想像すらできません。 『そうか、もう君はいないのか』 これは、数多くの経済・歴史小説を生み出して来た城山三郎が、最後に書き綴っていた、妻への想いを文章に起こしたものです。...

View Article


Image may be NSFW.
Clik here to view.

『マイナス・ゼロ』ーポケットの中のタイムマシン

これが本物のタイム・マシンか、と俊夫は思った。映画に出てきたのとは、だいぶ違う。ずっと地味だ。 「タイムマシンを造ることが可能なら、もう未来から未来人がタイムマシンに乗ってやってきているはず」 これは、タイムマシンを語る時にしばしば言われることです。 こそのまま、「だからタイムマシンは存在しえない」という言葉が続くこともあります。...

View Article
Browsing latest articles
Browse All 10 View Live




Latest Images